航空燃料取扱事業について

羽田空港を支える三愛オブリのハイドラントシステム

1955年、三愛オブリは日本初のハイドラントシステム(地下パイプラインで航空機まで航空燃料を圧送するシステム)による航空機への給油業務を開始しました。

以降、羽田空港の発展にともない、ハイドラントシステムの拡張、貯油タンクの増設及び航空燃料受入用の桟橋を建設してきました。

今後も発展し続ける羽田空港の将来を見据え、より安全で確実な航空燃料供給体制の構築を図ります。

また、羽田で培った航空機給油施設建設・運営、給油オペレーションのノウハウを活かし、国内主要空港(新千歳空港、成田国際空港、中部国際空港、関西国際空港等)及び海外諸空港(バンコクスワンナプーム空港、ドンムアン空港、ベトナムノイバイ空港等)の給油施設へ技術支援を実施しました。

航空燃料の受入から、給油までの流れ

航空燃料の受入から払出までの一連の流れに求められるのは、安全を基本とした正確で迅速な作業体制の確立です。羽田空港においては、コンピュータによる24時間総合管理システムでの運用とともに人的な確認作業を徹底することで、効率的で確実な施設運営・品質管理・在庫管理をおこなっています。

1 受入桟橋

毎月約70~75隻のタンカーが着桟し、厳重な管理のもと航空燃料を受入。

受入桟橋にてタンカーより受入れた航空燃料は、タンカーのポンプによって貯油タンクまで送られます。燃料受入前には各種書類の確認、目視検査、水分検査、密度検査、導電率検査、積載量の数量確認や、保存サンプルの採取等、徹底した品質管理をおこなっています。

また、受入中の事故を想定したオイルフェンス展張訓練や消火訓練の定期実施等、安全操業にも万全を期して取り組んでいます。

桟橋に2隻が着桟
オイルフェンス

2 施設の運転監視、数量管理

施設運転状況の監視
航空燃料受入から給油まで、施設の運転状況を集中監視。
巨大な航空輸送機能を支える。

貯油タンクに入った航空燃料は品質試験に合格後、専用のポンプで航空機まで送られます。

受入桟橋→貯油タンク→航空機給油までの行程はコンピュータで制御され、オペレーターはシステムが正常に作動していることを監視するとともに、各機器の運転操作をおこなっています。

航空燃料の在庫管理、品質管理の定例業務も毎日実施しています。

加えて、航空燃料漏洩事故や大地震発生を想定した各種訓練をおこない、緊急事態に備えています。

3 施設の点検・保守

点検作業
埋設配管総延長約40km。
羽田空港に広がる給油施設を点検。

ハイドラントシステムに関わる設備機器に不具合、故障等が発生しないよう、保守点検を実施しています。空港内の駐機場にある320ヵ所以上の給油ピット点検を毎日おこなっているほか、消防法等の各種法令に則りタンク点検、埋設配管加圧点検、受変電設備点検等の定期点検を確実におこない、施設の安全運用に万全を期しています。

また、給油車両39台、その他特殊車両8台、連絡車22台の定期点検や車両の修理もスケジュール化し確実におこなっています。

4 給油作業

総勢約100名体制で1日約350便の航空機給油作業を迅速・確実におこなう。

航空燃料は、貯油タンクから各駐機場まで地下に埋設された配管を通して送られ、給油車両を中継して航空機へ給油しています。給油車両では航空燃料に問題はないか最終の品質検査をおこないます。給油作業は約20もの確認項目に基づいた安全確認をおこないます。限られた時間の中で確実な作業ができるように教育訓練をおこない安心・安全の向上に努めています。

5 保安体制

特別防災区域内において、多量の航空燃料を取扱うため石油コンビナート等災害防止法による「特定事業者」となり、24時間体制で防災要員を配置し災害及び不法侵入者防止などの安全管理体制を構築しています。その他、安全衛生活動を実施し、労働災害や健康障害の防止に努めています。